対象は、令和2年5月~12月における売上の減少が次のいずれかに該当する事業者です。
①1か月の売上が前年同月比で50%以上減少している
②連続する3か月の売上が前年同期比で30%以上減少している
また、新型コロナウイルス感染症の影響で家賃の支払いが困難なテナント事業者を支援するために家賃の減額に応じた不動産オーナーについては、減額分が税務上は寄附金とはなりません。
金融庁や中小企業庁は、金融機関に対して、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で資金繰りに窮する事業者への迅速かつ柔軟な対応を要請しています。
金融機関の融資判断においては、融資した資金が事業に正しく使われ、確実に返済されるかを重視します。したがって、スムーズな融資のためには、経営者が事業の状況と資金使途を説明するとともに、月次決算に基づいた直近の試算表、資金繰り表、経営計画が重要なことに変わりはありません。
国や地方自治体から助成金や給付金を受ける場合は、課税の有無や計上時期に注意しましょう。
法人が受け取った助成金等は雑収入として法人税が課税されますが、消費税は課税されません。
個人が受け取った助成金等は、法令によって非課税になるもの(例:特別定額給付金)以外は、所得税の課税対象(事業所得等、一時所得、雑所得のいずれか)になります。
一般に、助成金等は「申請→支給決定→入金」の流れで支給されますが、収益の計上時期は、入金時ではなく、支給決定時になります。支給決定と入金が決算期をまたぐ場合は、期末に「未収入金」として計上する必要があります。
令和3年1月31日までに納期限が到来する所得税、法人税、消費税などほぼすべての国税を対象に、無担保・延滞税なしで1年間、納税を猶予できる特例があります。
対象は、新型コロナウイルスの影響により令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、「売上(事業収入)が前年同期に比べて概ね20%以上減少」などの要件を満たす法人・個人事業者です。
納税猶予は、本来、税金として納付するはずの資金が手元に残ることから、強力な資金確保策になります。消費税の予定納税についても猶予の対象になるため、納税額が多額の場合は利用しましょう。利用には税務署への申請が必要です。
なお、地方税、社会保険料等についても同様の猶予の特例があります。
新型コロナウイルス感染症対策にかかる「雇用調整助成金の特例」について、4月1日から6月30日までを緊急対応期間として、全業種(全事業主)を対象に、次のような拡大措置が実施されています。6月30日までの休業の受給申請は8月31日までです。
〇売上高(生産量)の減少要件を1か月10%以上から5%以上に緩和
〇助成率を2/3から4/5に引き上げ(解雇を実施しない場合は9/10)
〇小規模事業者を対象に「実際の休業手当額×助成率」によって助成額を算出
〇対象となる休業を、一斉又は一定のまとまりで行う1時間以上の短時間休業まで拡大
〇雇用保険の被保険者でない従業員の休業も助成金の対象になる
新型コロナウイルス感染症の影響により、ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者を対象に、最大で法人200万円・個人事業者100万円の持続化給付金が支給されます。ただし、下記のように前年の総売上からの減少分が上限になります。
〇前年の総売上(事業収入)-(前年同月比で50%以上減少した月の売上×12か月)
「前年同月比で50%以上減少した月」は、令和2年1月~12月の中から、事業者が任意に選ぶことができるため、12月までに50%以上減少した月があれば申請が可能です(申請期限は令和3年1月31日まで)。申請方法は原則としてオンラインになります。